かつての国際貿易都市カディスから世界の海を臨む

セビージャから電車(メディア・ディスタンシアと呼ばれる快速)で2時間ほど、アンダルシア南西部の、大西洋に突き出した半島に位置するのがカディスの町です。「銀のカップ」という愛称の通り、町は大陸部分から細く突出し、先端が丸っこい独特の形をしています。細長い部分が新市街、先端の丸い部分が旧市街で、ふたつの土地を大地の門という城壁が分けています。

カディスの歴史は古く、この地に人が住みだしたのは紀元前12世紀だと言われています。
最初に住み始めたフェニキア人はこの土地を「ガディル」(周囲を海に囲まれた場所)と名付けました。これが時が経つにつれて変化したのが現在の「カディス」なのだそうです。

古代ローマ時代には、地中海の重要な交易都市として大いに発展しました。
イスラム時代に一旦その反映に翳りをみせるものの、13世紀にキリスト教徒がこの町をイスラム教徒より奪回してからは再び交易の場として復活、大航海時代には“アメリカ新大陸”のスペイン植民地より運ばれてくる様々な商品がカディスを通じて、ヨーロッパ全土にわたっていくようになり、カディスはまさにヨーロッパの貿易センターとなったのです。
コロンブスの数回にわたるアメリカ航海への出発地の一つはここカディスでした。

この繁栄は18世紀まで続き、町の名を一躍世界に響かせることとなり、19世紀以降はヨーロッパ随一の軍港として有名になります。トラファルガー沖海戦でイギリス艦隊と闘うため、スペインの無敵艦隊が出航した港でもあります。

また、カディスはスペイン初の民主的憲法を発布した町としても知られています。このように、カディスはその特異な地形、交易ポイントとして絶好の立地にあることから数々の支配者たちによって統治され、多くの人々が行きかう国際的な都市としてその役割を果たしてきました。

このようにかつては、欧州から世界につながる港町として反映したカディスは、現在でも大航海時代の残り香と美しい海岸線を残しています。
美しい海を眺めながら、大航海時代に世界を目指して船出をする人々に思いをはせてみてましょう。

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