概要
数世紀も前に起源をもつ遺跡が他の遺跡との調和を保ちながら保存されている城壁内に一歩足を踏み入れれば、現代の喧騒を忘れ、ふと近くの建物から当時の貴族や聖職者が出てくるのではないかと錯覚を覚えるような、数世紀前の時代にタイムスリップしてしまったような経験ができる都市、それがカセレスです。
イベリア半島が古代ローマ帝国の属州であった約二千年前から、北部にあるカンタブリア山脈からローマへの船の玄関口セビージャまで銀・金・銅などの鉱山資源を運ぶために整備された街道、いわゆる銀の道が、このエクストレマドゥラ地方を南北に縦断していました。
その街道の中継地として古代ローマ時代から栄えた都市のひとつが、このカセレスでした。
また、カセレスの近くには、壁画が発見されたマルトラビエソ遺跡をはじめとする遺跡が見つかっており、先史時代から人間が住んでいたことが証明されています。
都市として誕生したのは、紀元前34年。その後アラブ人、ユダヤ人、レオン人によって支配されたカセレスにはそれぞれの時代の足跡を見つけることができます。
特に、新大陸発見後、交易によって富を手に入れた貴族たちが競いあって建築した宮殿や教会などが、ローマ時代に建築されイスラム教徒の支配時代に修復されたという城壁の中に、世界でも類をみないほど完璧な形で保存されており、それが評価され、1986年にユネスコの世界遺産に登録されました。