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みどころスポット

城壁

全長2.5km、平均の高さ12m、厚さ3m、88の塔に9つの門と、建設された当時はヨーロッパ最大規模を誇った城壁。1085年、カトリック勢力がトレドを奪還した後、1090年から防備のために2000~3000人を動員し9年の年月をかけて築かれたと言われています。ローマ時代の城壁や墓地の残骸が再利用されており、当時の人の知恵、尽力を感じることができましょう。

最も人通りの多いのがグランデ広場に面するアルカサル門。かつて兵隊と武器の移動に使われていた門で、高さ20mの塔を誇り、半円形アーチの上にはカトリック両王(フェルナンド2世とイサベル1世)の紋章が刻まれています。もう一つの城壁の入口、サン・ビセンテ門はアルカサル門と同様、重量感たっぷりで、鉄柵や鉄格子を通すためのすき間や石や煮え湯を流す穴などがあります。

上から見ると四角い形をした城壁ですが、西に進むにつれて少しずつ下がっています。ですから、西側にある突き出た丘、クアトロ・ポステス(4本の柱)から見るアビラ旧市街の全景は、城壁とその向こうにカテドラルが見渡せる素晴らしい眺めとなっています。また、城壁の北と東側は有料ですが上って歩くことも出来ます。

カテドラル

12世紀初め頃から建築が始まったと言われています。ロマネスク様式の窓もありますが、生まれたばかりのゴシック様式を取り入れており、ゴシック建築の実験の舞台ともなったことが分かります。実際、スペインで初のゴシック建築の大聖堂として有名です。建築開始当時、すでに建築が進められていた城壁に重なるように設計されたため、カテドラルの後陣部分は城壁の一部として要塞の役割も果たしています。特に珍しいのは、シモロと呼ばれる後陣部分に赤い縞模様の入った石が使われているところです。灰色と薄い赤色が混ざったこの部分はカテドラルの中でも最も古い箇所と見られており、外観からもうかがえますが、中からはもっと顕著にその不思議な色使いを目にすることが出来ます。また、北入口門も見ごたえがあります。もともとは西側(正面入口)に建てられていましたが、傷みが激しかったため15世紀に建築・彫刻家フアン・グアスによって現在の位置に移されました。

内部には数々の彫刻や絵画が保存されていますが、中でも特筆すべきは後陣の側廊にあるアビラの司教アロンソ・デ・マドリガル(別名:エル・トスタード)の墓碑です。細部まで入念に仕上げられた芸術作品で、スペインにトスカーナ式ルネッサンスを導いた彫刻家バスコ・デ・ラ・サルサの最高傑作とされています。また、司教座博物館にある1571年にフアン・デ・アルフェが制作した銀製の聖体顕示台も見どころです。

サンタ・テレサ修道院

サンタ・テレサはカルメル修道会の改革を進め、「裸足のカルメル会」を設立した聖女。彼女が修道会に入った1835年頃は、お金持ちの子女が修道女となることが多く、召使を雇ったり男性を招いたりすることが出来ていました。聖テレサはそんな祈りとは程遠い生活を改め、厳しい戒律を持つ修道院改革へと乗り出したのです。

この修道院は、聖テレサが幼少期を過ごした家の跡地に建てられました。祭壇の背後の飾り壁はカスティーリャ・バロックの巨匠、グレゴリオ・フェルナンデスの工房の作品で、聖テレサの宗教上の法悦体験がテーマとなっています。隣接する菜園には幼少期の聖テレサとその兄弟ロドリゴの像が置かれています。

また、修道院の裏手(入口は別)には洞窟風の博物館が隣接しており、ここでは聖テレサに関する書物や「裸足のカルメル会」の名の由来になったサンダルなどが展示されています。中国語や日本語に訳された本も展示されているので、興味のある方は覗いてみてはいかがでしょう。

エンカルナシオン修道院

聖テレサは20歳の時、信仰に目覚めこの修道院に入ります。その後27年間、この修道院で暮らしながら、修道院長まで上りつめます。ここでは何度も神の姿を見るという体験をし、ここを基盤に修道院改革を進めたと言われています。内部には聖テレサに関するものや、16世紀の修道院の生活がどのようなものであったかがよく分かる展示品が並べられています。例えば、当時の家具や修道女が手縫いした儀式用の豪華な衣装、修道女が家族に面会する為の特別室、聖テレサ直筆の手紙などです。

また、アビラ出身の詩人、聖ファン・デ・ラ・クルスの遺品も展示されています。というのも、聖ファンは信者の罪などを聞く聴罪司祭としてこの修道院を訪れ、のちに聖テレサの修道院改革運動を興す一人となったためです。

旧市街からはやや離れていますが、場所はわかりやすく旧市街から歩いても15分ほどで着きます。宗教的なことがわからなくても、日本語の案内カードがありますのでそれを読みながら興味深く見学することが出来ます。


貴族の邸宅

アビラの街が繁栄を極めた16世頃、街には多くの貴族の邸宅が置かれていました。現在は家以外の機能を果たす建物が多くなりましたが、それらの邸宅を巡るのも興味深いものです。

●ヌニェス・ベラ家の城館●
サンタ・テレサ修道院の向かいに位置する邸宅。元ペルー総監邸で、今は裁判所となっています。入口は半円アーチになっており、その両端に紋章に飾られた細い柱が建っています。
●デアネス邸●
16世紀に建設され、大聖堂参事会の責任者たちが住んでいました。現在は県立博物館として機能しており、彫刻や陶器などベトン族の文化をテーマにした展示室を始め、15世紀の絵画などが展示されています。
●ダビラ家の城館●
ペドロ・ダビラ広場とラストロ遊歩道に面した大きな城館。入口の半円形アーチの中にある扉の上にはダビラ家の紋章が彫られています。

●ベラダ家の城館●
カテドラル近くにあり、現在はホテルになっています。ベラダ家は16世紀には最も高貴な家系と言われ、王家の宿泊にも使われたそうです。中庭を囲む3つの回廊のアーチは美しく、柱にはベラダ家の紋章が刻まれています。

●グスマン邸の大塔●
現在、県議会堂の一部として使われています。塔はその昔ガルシバニェス・デ・ムシカ候の邸宅に属しており、彼はエル・グレコ作の肖像画にも登場します。中庭が美しく、柱にはここに住んだ貴族たちの家系の紋章が彫られています。